2005年9月27日

山口幸二の隠れたファインプレー

有力とみられていた鈴木誠が準決勝で落車のため脱落。
それでもなかなかの豪華な顔ぶれとなった千葉記念決勝戦。

自力型は武田豊樹・岡部芳幸・海老根恵太の3人。
山口幸二は準決勝で海老根に付けて勝ち上がってきたことから
海老根の番手を主張。
それにより浮きゴマとなった内林久徳が
武田の番手にいくかどうかがレースの焦点と見られていた。

レースは打鐘前に武田の番手に内林が競り込み一旦は番手を奪取。
武田が出切ってペースを落としたところで再度神山が上昇し
外競りから番手奪回を目論む。
中団はすんなり海老根。もはや定位置と言える8番手に岡部。

2コーナーで踏み遅れ気味の内林がアウトの神山に
頭突きを一発食らわせるもこれがなんと空振り。
武田の番手を神山が奪回したのと同時に
間髪入れずに海老根が一気の捲り。
競り合いで脚を使っていた神山は合わせることもできず
空振りの頭突きを食らわすのがやっと。

結局、海老根が直線で食い下がる山口幸二を振り切って
自身2度目の記念競輪優勝を決めた。
3着には岡部の捲りに乗った有坂直樹が入線。
3連単で9710円とかなりおいしい配当の決着となった。

準決勝で海老根の捲りに乗って快勝した山口幸二は
海老根に決勝での戦い方を相談された際に
「自分が勝てる組み立ててで戦ったほうがいい」とアドバイスしたという。

即席ラインだと先行しなければ切り替えられてしまう危険性というのが
常に付いて回るのが競輪の常識であるが
敢えて山口は地域スジでもない海老根に対して
このような寛大な対応をすることで海老根の快走を引き出した。
ある意味、これが中部勢の強さの秘密かもしれない。

今回、若手からの非難の的となった岡部芳幸は
相変わらずの8番手からの競走。
武田と海老根の先行争いがあると踏んでの決め打ちだったのかもしれないが
勝負どころで海老根を捌いてでも中団を取れなかったのは痛かった。

人気を集めた神山雄一郎は内林に競り込まれた時点でもう追走一杯。
すでにマーク屋宣言をして、先の名古屋オールスターで
早速結果を出した神山だったが、今回は展開が悪すぎた。

武田も当然海老根が早い段階で仕掛けてくると踏んでいたらしく
フカして先行し大敗。
海老根の捲り狙いを読んでペース駆けに持ち込んでいたなら
勝機はあっただろうが、あの流れでは大敗も仕方がないと言える。

こうしてよく考えてみると今回の海老根の地元記念制覇は
番手の山口幸二が強力にサポートした結果であることがよくわかる。

他地区の若手先行屋であっても信頼して自分のレースをするように指示し
それを信頼して付いた山口幸二。
さすがは常勝中部王国を支える司令塔。
山崎の先輩批判で揺れる?福島にもこんな司令塔がいたなら
福島勢はもっと勝てているはずなのだが…

こうした男と男の生み出すドラマも競輪の魅力のひとつ。
これだから損することは分かっていても競輪は辞められないのだ。