2006年9月 3日
大ブレイク時の先行が甦った!?花月園AS 武田豊樹
後ろ攻めから赤板で上昇して前を抑えて先行態勢。
そのまま隊列は一本棒のまま周回。
後続の選手はなし崩しに脚を使わされ
金縛りにあったかのように「誰も捲れず、誰も差せず」のままゴールを迎える…。
S級昇進後は、そんな衝撃の走りで競輪ファンを騒然とさせた武田豊樹。
そんな彗星の如く現れたニュースターに
スター待望論を唱えていた関係者はこぞって群がりだし
やがて売り上げを生むためのネタとして武田豊樹という逸材を食い尽くしてしまった。
配分過多による疲労、練習不足。
その他様々な理由から武田豊樹は急速に一時の輝きを失っていった。
年齢的にもこれまでの選手だろう。
スケート出身者に競輪の頂点が極められるほど競輪は甘くない。
復活を期待する声をよそに、デビューが遅かったことから
限界説までファンの間ではささやかれていた。
さらにそれに追い討ちをかけるようにケガによる長期離脱が彼を襲う。
しかし、スケート選手時代にも大スランプを乗り越えてきた武田豊樹は
その程度のことで終わってしまうような男ではなかった。
ふるさと富山ではバンク特性を考慮して意識的に捲りを多用したものの
続く函館記念では大ブレイク時を彷彿とさせるような
積極果敢な逃走劇で終始他を圧倒。
武田豊樹の完全復活が近いことを予感させる大活躍を見せた。
そして迎えた昨日のドリームレース。
2車のラインが3つと単騎が3車という超細切れ戦の中
武田は輪界トップスターを相手にわずか2車で積極果敢な逃げを打ち
堂々と僅差の3着に入線するという堂々たる走りを見せたのだった。
逃げた武田の3番手で小嶋敬二と海老根恵太がヨコのせめぎあいをするという
意外な展開が武田を助けたことも確かだが
後続の選手になし崩しに脚を使わせて「誰も捲れない」という状況を作り出した
いかにも武田らしい逃げを打ってレースを動かしたのには感動さえ覚えた。
結局は後続をブロックに行った神山の
内をすくった加藤慎平が突き抜けて優勝したが
ライン3番手に内を閉める3番手の選手がいれば
確実に逃げ切っていたと思われるほどの完璧なレースを披露してくれた。
これはほぼ完全にあの頃の強い武田が戻ってきたと見ていいだろう。
最近になって若手の台頭が著しい競輪界ではあるが
まだまだ武田豊樹のようなスーパーアスリートが
簡単には世代交代をさせてくれそうもない雰囲気。
逃げたら強い武田豊樹。
あの脅威の走りが完全に甦るのはそう遠い未来のことではなさそうだ。