2006年11月20日
平原の完璧な自在戦 ?別府記念決勝
「このバンクで優勝するのは俺以外考えられない」
いつもの通り、自信たっぷりの面持ちで決勝に臨んだ
地元の小野俊之はだったが
このレースにはそれと同等かそれ以上の気迫で
レースに臨むであろうひとりの先行屋がいた。
その選手とは「永井清史」。
永井はスピードあるダッシュ型の選手であって
決して早駆けして残れるタイプの選手ではないが
今回は後ろに公私共に世話になっている「加藤慎平」がつけたため
玉砕先行に出ることは必至。
場合によっては番手捲りもあるだろうし
このレースで一番有利なのは加藤慎平であることは間違いなかった。
そうなると中部ラインの直後を撮り切ることができるラインは
かなり有利になってくる。
そのラインとは平原ラインなのか中井ラインなのか…。
なんにしても中川誠一郎は永井清史に絡まれて
すんなりと自分のペースで駆けることはできないだろうから
小野俊之のアタマはないと見て消し。
中部ラインの後ろには
この開催でなぜか「自在戦法」を試している平原康多がいると見て
車券はそこから買うこととした。
レースは一旦平原康多が前を抑えて先行態勢に入り後続の仕掛けを待つ。
永井は打鐘の2センターから中川誠一郎に先んじてスパートし
HSカマシで先行。
中部の3番手につけた宮越大はギアを上げたせいか千切れてしまい
中部は永井清史?加藤慎平の2車で先行し
3番手には前で後続の仕掛けを待っていた平原がサラ脚のまま
すんなりと3番手をキープしてレースは勝負どころへ突入。
私は「最終バックから平原が捲って慎平も番手捲りで応戦かな?」と
思いながら見ていたのだが
なんと平原は中部ラインから適度な車間を切って追走し
最後は自分だけ届くような遅めの捲り追い込みで突き抜けたのだった。
早めに前を抑えて後方のカマシを待つ。
好位に飛び付いたら適度な車間を切って追走し
さらに後方から捲ってくるラインに対応する。
永井の番手を回る加藤慎平の強烈なブロックをもらわないように
止めようのない最終2センターから仕掛けて
捲りと言うよりも「差す」感覚で直線追い込んでいく。
これはなかなか簡単なようで非常に難しい美技中の美技。
小野は「永井をどかして誠一郎がカマせば勝てた」と言っていたようだが
今回の平原の取った戦法であれば仮にあそこでカマしてきたのが
永井でなく中川であったとしても、恐らく同じように対応して
直線突き抜けていたのではないかと思われるほど
今回の平原の攻めは完璧なものであった。
しかし…今回はたまたま後ろのマエタクも平原のスピードを借りて
2着に飛び込むことができたのだが
普通あれでは番手の選手は届かずに終わってしまい
最悪、岡部芳幸?佐藤慎太郎ラインのように
「仕掛けが遅い」と番手の選手の怒りを買うことになってしまう。
完全に平原が自在屋になったのであれば
今回のこれは「いいレースだった」で済むことなのかもしれないが
ファンが平原に望むものは残念ながら「自在」ではなく「先行」。
今開催の平原のレースぶりは多くのファンには残念ながら
「セコい」「小さいレース」をしたとしか映らなかったのではないだろうか?
G2に引き続いて、ここで初のG3優勝を果たしたと言っても
まだ平原は24歳。
まだまだ可能性を求めて逃げまくってもバチは当たらないのではないかと
30過ぎのおじさんは思ってしまう。
若くて強い先行屋が、気がついてみればいつの間にやら
普通の自力屋になってしまうのは非常によくあるパターン。
埼玉にはたしかそんなパターンに陥ってしまった選手が何人かいたような…。
ここで平原君に送る言葉をひとつ。
「平原よ 逃げておかなきゃ 真一みたいに なっちゃうぞ」
字余り。