2007年11月30日
小粋空間(西方見聞録 Stage3 別府競輪場)
別府市内を通るメイン通り国道10号線を日出方面に走り
亀川バイパスの分岐を亀川方面に向かって2つ目の信号のところにこんなゲートが見えると
それが別府競輪場への入り口。

ここの駐車場は朝から晩まで開いているから、とりあえず一旦駐車場に車を入れてから
レースの開始まで周辺を散歩して過ごしてみることにした。

まずは別府競輪名物「競輪温泉」へ。
ここは洗い場のついていない簡素な施設ではあるものの
競輪開催日の午後5時までの時間は無料で温泉に入ることができるというすばらしい施設。
(それ以外の時間帯・開催日以外の日は入浴料100円)
以前ここに来た時には温泉には入る時間がとれなかったので今回は車を停めてすぐに温泉に入ってみることにした。
掛け湯をして湯船につかると…そこはさすがに日本の名湯別府温泉。
はっきり言って湯船から出たくなくなってしまった。
競輪場の敷地内にある温泉がここまですばらしい温泉であるとは!
これがまさに別府温泉クオリティなのである。
温泉からあがり、道路の反対側にあるコンビニに行って新聞を買ったあと
少し歩くと競輪場の近くにはつきものの「デニーズ」がない代わりに
「ジョイフル」があるのでそこに入って朝食を食べることに。
ジョイフルの入り口には…

こんな立て看板が掲げられていて、施行者側が周辺への対応に苦慮している様子が見てとれた。
競輪温泉側から別府競輪場を見ると

いかにも…という景色が広がっているのだが
道路の反対側にあるジョイフル側から見る別府競輪場は

それこそ全くの別モノの建物。
ジョイフルで朝食をとった私は道路を横断して立て替えたばかりのこちら側から別府競輪場へ入場。
ちょっとした庭園風(?)に仕立て上げられたエントランス部は
まるで競輪場ではないどこかに来てしまったのではないかと錯覚してしまうほど近代的かつ美しい作りになっていた。
この日、入場者サービス品として入り口で手渡されたのは
今回の冠協賛企業「サンヨーコーヒー」の「エチオピアコーヒー」。

競輪場で敢えて「エチオピア」コーヒーを配るというそのすばらしいセンスに思わず涙。
しかしまだまだそれは随所に小粋なセンスが光るこの競輪場のすばらしさを語るには序章に過ぎないものだったのである。

入ってすぐにある建物は「サイクルガレリア」と名付けられた
東日本で言えば「いわき平競輪場」や「桐生競艇場」を思わせるような
ギャンブル場離れした明るくきれいで快適なスペース。
「サイクルガレリア」
私は思わずしばらくの間、その名称の持つ語感の魅力?にとりつかれてしまった。
欲を言えばもう少し建物の中からナマの競輪を直接見られるようなガラス張りの部分を
もっと多く取ってもらいたかったものではあるが
レースごとに扉を開けて階段を上りホーム側特別観覧席の前にある観戦スペースに上がっていく時は
なんとなく通路を抜けてレーサーズゲートからバンクに入場する選手のように
不思議と気分が高まっていくのがよく分かり、決して悪い気はしなかった。
本当に入場前の選手のように扉の前で係員が「第○レースお願いします!」と叫んでくれれば
気合いを入れてグラウンドに入って行けそうなそんな雰囲気。
むしろガラス越しにレースを見ているよりも気分は高まり、いかにも勝負をしているという雰囲気になっていい。
私はそれからというもの自分で勝手にここの扉を「Racer's Gate」ならぬ「Okera's Gate」と名付けて
レースが始まるごとに毎回ここの扉を開けて気合いを入れてから階段を上がって観客席に出て行くことにした。

別府競輪場のバンクはこんな感じ。

ここの競輪場のスタンドはこんな感じにゴール前の攻防も障害物が邪魔することなくはっきりと見えるようになっていたし

特別観覧席の前もこのように十分な広さのスペースがとられているなど
私のようなナマ競輪派にはうれしい限りのすばらしい施設であった。

新しく建てられたホーム側の施設を離れると1角側にはこんな旧来のスタンドもしっかりと残されており
こちらにも多くの「さすらいの車券師たち」が等間隔に離れて静かに競輪を楽しんでいた。

その先の2角側にはさらに熟成度の高いスタンドが待ち受けていたが
この日、こちらにはほとんど客はゼロの状態だった。
普通の人にとっては一見、こんな場所は不要なように思えるかもしれないが
私のような人間にとってこういう場所はひとりになって煮詰まった頭を切り替えるためにどうしても必要なスペース。
こうした静かな場所で吹き抜ける風にあたりながら新鮮な空気を吸い込めば
不思議と流れが変わってくることもあるから不思議なものである。
専門紙を眺めながら、フラリと便所に立ち寄ってみたところ目の前にはこんなものが。

急ぐとも
心しずかに落ちついて
外にもらすな松茸のつゆ
よみびとしらず
こんな小粋なセンスが生きる遊び心たっぷりな競輪場。
それが別府競輪場。
施設が快適なのはもちろんのこと「車券を買う側の心まで躍らせてしまう」
ここはそんなすばらしい競輪場だった。