2008年2月10日
超ハイギア使いは逃げても強い!(前橋競輪F2より)
前橋競輪F2初日10レース。
高橋紀史(秋田・91期)の番手を回る早坂悟(宮城・49期)の横に
顔見せから松村悟(埼玉・73期)が競りに行くと客席からひとりの観客が声を上げた。
「おーい!悟同士でケンカしてねーで仲良くやれや!」
レースはその客の言う通り、早坂悟と松村悟というふたりの悟によるガチの番手勝負となったのだが
競輪競走よりも号砲前に「しゃーあ!」と大きな掛け声をかけることで有名な早坂秀悟の父である早坂悟は
超ハイギア使い(4.33)として有名な選手だけになかなか競りとなると厳しいものがあり
この日も競りが始まる以前に高橋紀史の仕掛けに踏み遅れてしまい、松村悟に番手をやすやすと譲渡。
結局目標とする高橋が捲られてしまったこともあって着外に終わってしまったのだった。
「とにかくギアが高すぎて踏み始めてすぐにコーナーが来てしまう感じで全く走らない。」
それが前橋バンクにおける早坂悟の印象だったのだが
翌日の2日目には偶然にも早坂の「ギアに合った」絶好の番組が巡ってくることになる。
先行不在。そして早坂はラインの先頭で自在戦。
脚力は確実に衰えてはいるものの4.33ギアを踏みこなす早坂悟が
このバンクでカマシ・捲りで駆けたらどういうことになるのか?
非常に楽しみなレースとなった。
レースは早坂ラインが前受け、それに浮き駒の小嶋康博(栃木・81期)が続き
中団には白須成永(静岡・71期)、後方に中村邦夫(埼玉・60期)という隊列で周回。
勝負どころで中村が上昇し、白須をじっくり押さえた上で打鐘先行に持ち込もうとしたのだが
なんと前受けの早坂は上昇して来た中村を突っ張って先行してしまう。
しかし早坂は最終ホームから再度踏み直して叩きに来た中村を再度跳ね返したばかりか
最終バックから捲って来た白須に続いた柴田憲男(静岡・45期)を自ら始末して
後ろにつけた鈴木良弘(福島・43期)を2着に導いたばかりか自らも3着を確保。
普通であれば一気に飲み込まれて着外に沈んでもおかしくない展開だった訳だが
タテにヨコに大暴れして見せたその競走はまさにお見事としか言いようのないほどのすばらしいものだった。
この開催で地元群馬の大河原和彦(群馬・58期)はこんなことを言っている。
「僕らマーク屋は前次第。動けないつらさかな。」(前橋競輪専門紙アカギより)
普段、人の後ろを回っているマーカーの選手というのは
決して脚がないから人の後ろを回っているという訳ではない。
本当は自分で位置を取り切って突っ込む競走や回れるところから自力を繰り出す競走に徹すれば
もっといい成績を残せているはずの選手だって決して少なくはないのである。
競輪とは前を回る選手とその後ろで仕事をする選手達の共同作業が織り成す競技。
その陰に隠れて持ち味が出せないだけの選手がたくさんいることを車券を買う側の人間は決して忘れてはいけないのだ。