2008年3月25日

この男最強につき(岩本俊介・千葉・94期)

昨年末、全員が陸上競技アスリート出身となる森下太志選手のグループの忘年会に呼んでいただいた際に
私が丼ものの食べ物を立て続けに2つ手渡すと、それを瞬く間にサラサラと平らげて
あどけなさの残る顔でニッコリと微笑んで見せた気持ちのいい青年。
それが岩本俊介生徒(94期)だった。

その時の岩本生徒からは厳しい勝負の世界を生きる男の雰囲気というよりは
気がやさしそうなお兄ちゃん的な雰囲気しか感じられなかったのだが
そんな岩本生徒も一旦バンクに出れば一味も二味も違う勝負師の顔になるから不思議なものである。

岩本俊介

先行の叩き合いとなり、最後は後ろからゴッソリ行かれてしまった特選競走のあとの2本目。
このレースはこのようなメンバーの組み合わせ。
1 49・山本  奨(岡山) 19歳 ギア3.50 成績3-9-14-53
2 12・村本 慎吾(静岡) 26歳 ギア3.57 成績4-4-13-45
3 14・櫻井 太士(鳥取) 23歳 ギア3.57 成績5-9-13-38
4 34・西野 真弘(熊本) 23歳 ギア3.50 成績1-8-8-62(適性)
5 16・佐藤 康恭(福島) 21歳 ギア3.57 成績11-14-10-38
6  6・是永 幸寛(福岡) 22歳 ギア3.50 成績0-5-6-59
7 53・岩本 俊介(千葉) 23歳 ギア3.57 成績18-6-13-38(適性)
8 65・北村  篤(岐阜) 20歳 ギア3.50 成績1-6-6-46
9 26・伊藤 翼(神奈川) 22歳 ギア3.57 成績4-6-7-45

この競走は前受けからレースを組み立てた岩本生徒。後ろにはしっかりと村本慎吾がつけて南関ラインを形成する。
打鐘で後方から飛び出して来た2車を出し3番手にはまる絶好の展開。
そこでもしも先手ラインが出切ったところでペースを緩めてしまえば後方からカマして来たラインに被せられてしまい万事休すの展開もありえた訳だが
先手ラインは一旦は緩めたものの、再度しっかりと引いてくれて鐘4角から再スパート。

これで絶好の3番手にはまった岩本生徒は前の2車を使えるだけ使ったうえで捲って出る競走で楽勝だと見ていたのだが
ここで岩本生徒はまさかの策に打って出る。

なんと前を使うことは一切せずに、最終ホームで間髪入れずに前を捨てて果敢に先手を取りに行ったのである。

実際の競輪競走では確かに先行選手のピッチが上がらない時
後ろから先捲りを打たれないうちに飛び出してやるのは非常に有効な手段ではあるのだが
敢えてここでそれをやらなかったとしても最高速度69.7km/h、ダッシュ6.82秒という非常に高い能力を持つ岩本生徒にとっては
後ろから誰が捲って来ようと十分に対応できる脚はあるはず。
それでも目先の一勝よりも先手取りにこだわるというのだから、この人の飽くなき探究心には本当に感心するばかりである。

7・岩本2・村本
結局、前を捨ててホームカマシ気味に飛び出した岩本生徒はそのまま後続の村本生徒以下を押し切って1着でゴール。
まさに岩本俊介オンステージと言えるようなすばらしいレースぶりに拍手喝采雄太郎。
ただただ驚嘆の声を上げながら拍手をするしかないというくらいのすばらしいレースに思わず鳥肌が立った。

陸上競技出身の高い身体能力を生かすだけでなく競輪競走に対して飽くなき探究心を持って寡黙に取り組む岩本生徒。
彼ほどの逸材もデビューしてからの道のりは決して楽なものにはならないだろうが
この競走で見ている者に感動を与えるようなすばらしいレースができたということは紛れもない事実。

デビューした後も今の気持ちを忘れずに
失敗を恐れず果敢に攻めて、見る者を熱狂させる岩本選手になっていただきたいものである。

= 関連リンク =
・SWEET AIR -Dairy Report- 森下選手一門忘年会
・勝手にスポーツコメンテーター森下太志編 化けてる男