2008年4月12日

かつて強かった選手も今となっては普通の選手(取手競輪F2)

取手F2二日目の最終12レースは柴田洋輔(東京・92期)-富岡武志(茨城・70期)の関東コンビに人気が集中するレース。
このラインには大矢将大(新潟・81期)・栗田弘一(群馬・60期)もつけてライン4車で柴田をアシスト。
別線は竹山陵太(宮城・91期)率いる北勢と金子幸郎(神奈川・75期)率いる南関勢。

このメンバーだとさすがに金子幸郎は人数合わせで回ってくるだけに終わってしまいそうだし
竹山はドカンと駆けるイメージだが後ろの選手がここでは一枚落ちる。
それからすれば柴田は逃げても捲ってもいい選手だし、後ろは昔はS級でもタテの脚を発揮していた富岡武志。
さらにその後ろに大矢・栗田と脚のある選手が控えているとなれば
多少無理脚を使ってでも柴田が主導権を握れば後ろはしっかり付いてくるだろう。
…とみんな考えたのかオッズは柴田-富岡-大矢の3連単で500円以下。

富岡・大矢は前日に落車しており若干評価は下がったはずだが、それでもこの人気。

本当にこれしか出ようがないのか?
私は新聞を片手に考え込んでしまった。

取手12レース準決勝
1 富岡武志(茨城) 追 90.42
2 柴田洋輔(東京) 逃 88.89
3 佐藤 仁 (秋田) 追 83.81
4 土屋暁則(静岡) 追 82.30
5 大矢将大(新潟) 追 88.33
6 小松和哉(秋田) 追 79.19
7 栗田弘一(群馬) 追 85.65
8 金子幸郎(神奈) 逃 81.33
9 竹山陵太(宮城) 逃 88.04
想定並び←936 84 2157

かつてのイメージがあるために
どうしても番手すんなりなら富岡の差し切りまであるんじゃないかと考えてしまうのだが
昨年取手に来た時、最後に富岡の差し目に大きく張ってやったら見事に差せずというレースがあったのでここは慎重に。
そして最後まで竹山の取捨選択に迷ったが、後ろは富岡と大矢がしっかりとガードしてくれるはずだし
…と期待してここは215と125の2点だけで買ってみることにした。

レースは柴田の上昇に先んじて竹山が上昇。
そこにハコ飛び付き狙い?の金子が絡んで行きもつれる展開に。
後ろが離れたのを見た柴田がペースを落とすと竹山が最終ホームから一気に仕掛けて主導権。
しかし後ろが付いて来ていないことに気づいた竹山は出切ったあとでペースを落として後ろを牽制しながらの先行。
番手にはまった柴田は最終2角から捲って出たが、番手の富岡は柴田に付け切れず消えてしまった。

最後は番手にはまって再度踏み上げた竹山とのマッチレースを寸でのところで柴田が制して1着。
2着は竹山、3着には竹山の後ろを捌いて追走した金子幸郎が入った。

後ろに地元選手を付けた柴田は後ろ攻めを選択したにも関わらず、抑え先行をやらず後方で車間を切ってヨーイドンの構え。
これにはさすがにその場で天を仰いでしまった。
それを追走すらできない富岡が弱いと言えばそれまでだが
そんなミエミエのカマシでは余程スピードに差がない限りライン4車で出切ることなんてできるはずがない。
おそらくこの選手はラインや車券のことよりも自分の着のことしか考えていないということの表れなのだろう。

競輪を長く見続けるということは、かつて強かった選手が終わって行く歴史の目撃者になることでもある。
これは競輪ファンとして最も悲しい瞬間でもある訳なのだが、選手にも人それぞれの人生というものがある以上
人生のすべてを捨てて一生競輪マシーンになり続けることなんてできるはずがないのだ。

今日の富岡はまさにそれ。

このレースのゴールの瞬間は
場内に舞い散る桜の花びらと共にかつての強豪選手・富岡武志が散った。
そんな瞬間だったと言えるだろう。

このレースのダイジェスト