2008年4月15日

脚は衰えても勝負師の確かな感性は生きていた(高知記念)

かつては当地で特別競輪制覇を果たすなど、小兵ながら競輪界のトップを極めた男「児玉広志」。

全盛期には選手の勝負気配を独特の感性で見抜き、地域スジを無視したライン選択をして結果を残し
度重なる落車にもめげず競輪競走に敢然と立ち向かうその勝負師の姿は
明らかに脚が落ちている今開催においてもしっかりと垣間見ることができた。

実にすばらしかったのが準決勝Cの競走。
瀬戸内連携を選ばず、捌いても自力で行ってもなんとかなりそうな山内卓也の後ろを選択したのには
本人もギャンブルで大きな勝負をするという児玉ならでは勝負師の感性というものを感じて
私は発走前からワクワクして競走を見てしまった。

結果は山内が見事に捲って1着。
全盛期の児玉の脚があればそこから確実に差し込んで来たのだろうが
この競走はそんな状態にまで児玉が復活する日は近いかもしれないことを予感させるに十分な内容の競走であった。

そんな競走が見られただけに最終日の競走も非常に気になったのだが
最終日はなんと兵藤とのジカ競りを選択。
これは現状の脚ではハコをやらないと勝負にならないと見ての選択だったのだろうが
果敢に勝負に行くその姿勢は相変わらず錆付くことなく健在なのだということを印象付けるに十分な競走だったように思う。

結果はうまく兵藤から一旦番手を奪取したものの再度追い上げてきた兵藤が不用意に降りて行ったために引っ掛かって落車。
またしても堅い地面に叩きつけられる結果となってしまった。

体格的に恵まれていないという圧倒的に不利な条件を
血反吐を吐くほどの自分を追い込んだ厳しい練習と落車が多くなることを承知で使っている前乗りフレームで見事克服した児玉広志。

年齢的にこれ以上多くは望めないのかもしれないが
この人の競走は非常にクレバーかつシビアで、見ているだけでも非常に面白い。
一見なんでもない競走のようだが、今回の高知記念準決勝の児玉の走りからは
地味ながらシビれるような勝負師の走りというものを感じてとてもすばらしいと思った。