2008年4月23日

番手を回るということ(ふるさとダービー弥彦より)

ふるさとダービー弥彦3日目7レース。

このレースは金山栄治の先行一車と言っていい番組。
金山の番手は地域スジの久米康徳が主張したが、負け戦と言えど地元の意地を見せたい阿部康雄は
ファイター宗景祐樹を押しのけて自らが前で番手勝負を挑むことを宣言。

当然その位置はファイターである内藤秀久も主張してきたために
実際のレースでは金山の後位は3車併走に。

ここで阿部がどんな横の捌きを見せるのか…
おそらく全国の競輪ファンの目もそのあたりを注目していたのだろうが
そこで阿部康雄がとった行動は、なんと一車引いて3番手からの競走に切り替えるというもの。

レースは金山が先行して内藤が番手を奪取。
BSで立石が捲るも不発で最後は3番手から阿部が大外を捲り気味に追い込んで、その後位の宗景は内を突いて突進。
踏んだコースは違えども無事にゴールでは現地集合のカタチとなり
見事に関東甲信越ラインでのワンツーが決まったのだった。

確かに3車で競り合うのは危ないし、阿部は本来タテの脚が主体の追い込み屋。
ここは一歩引いて脚を温存しておいた上で最後にタテの脚を生かして勝つというのも非常に良い作戦であると言える。

しかし、阿部の出したコメントは自在ではなく「金山の番手」。
それを信用して後ろに付けたファイター宗景がこれで納得するとはとてもではないが思えないようなレースだった。

以前私は選手からマーカーが番手を回る上で絶対に守らねばならないことというものを聞いたことがある。
それは「マーカーは先行選手の前を絶対に走ってはいけない」
「番手勝負は最後までしっかりと戦わなければいけない」というものだった。

マーカーは無闇に先行屋の前に出てインを切ったりして先行屋を惑わすようなことを絶対にしてはいけないし
番手勝負を始めたら最後まで意地でも番手を守り通す。
それができないようでは選手仲間からもバカにされるだけだ。

専門紙アカギの記事によれば、このレースを見ていた選手からも
「宗景が前を回っていれば最後までキッチリと番手勝負をしていたはず」と
わざわざ宗景を後ろに回らせたにも関わらず
最終的には自ら番手勝負から逃亡した阿部康雄を批判する意見が出ていたという。

このレースで阿部はうまい走りで勝つには勝った訳だが
残念ながらそのレース振りが阿部康雄というマーカーの地位を著しく低下させたことは間違いのないことだろう。