2008年4月26日

ふるさとダービー弥彦決勝戦のおさらい

手島慶介のまさかの優勝で幕を閉じたふるさとダービー弥彦の決勝戦。

この手のプレーがあるといつも騒ぎになる競輪の競技規則を巡るお話。
今までも何度かこの手のことは書いたことがあったが、ここでもう一度ルールのおさらいを兼ねてここに書き留めておくことにしよう。

まず、赤板で上昇した2・山崎は33バンクの競走かと見間違うくらいの早いタイミングで誘導を切って前へ。

一旦誘導を切った山崎がスローペースに落とすと、それに続いた1・平原と前受けの3・小嶋は併走状態に。

内に詰まるのを嫌った(?)3・小嶋が後方に引くと1・平原は後ろを見ながら3・小嶋をしきりに牽制する。

一向にペースを上げない2・山崎を乗り越えて打鐘2センターから1・平原がカマシ気味に仕掛けると3・小嶋もそれを追走。

1・平原は出切ってからも一気にスピードを上げることはせずにじっくりと後ろの仕掛けを待つという遅めの抑え先行的な仕掛け。
1・平原に連れて上がった3・小嶋は2・山崎を抑えつつ、じっと仕掛けのタイミングを待ち
最終1角から一気の仕掛けで平原に襲い掛かる。

3・小嶋の仕掛けに併せて1・平原がスパートすると平原の番手を回った4・諸橋が3・小嶋を一発大きく牽制。

1・平原との車間は大きく離れてしまい、小嶋にチャンスが巡って来たようにも思われたが
4・諸橋は必死に小嶋に併せながら平原を追いかける。

最後は1・平原を抜きに行くようにして4・諸橋が渾身のブロックで小嶋を始末。

小嶋をブロックする際に走路を外してしまい戻れなくなった諸橋を見て、7・手島は1車詰めて平原の番手に入り
その後位には3角で早々に山崎を捨てて内に潜った5・有坂と2センターで小嶋行けじと見て内に降りた8・鈴木誠が殺到。

先頭で4角に入った平原はここで外帯線を外して外を牽制(?)したため
これにより走路はこの時すでに1・平原の後輪の位置に自らの前輪を差し込んでいた手島の有権走路に。
降りて来た8・鈴木を軽く弾いて位置をキープする5・有坂。
押し上げられた8・鈴木と9・加倉はともに外を踏んで活路を見出す。
(わかりにくいが6・小橋も外を捲り追い込んでいるのにも注目)

走路を自ら明け渡してしまった1・平原は慌てて内圏線・外帯線間の走路に戻り7・手島をブロック。
(すでに走路は手島のものとなっているため、厳密に言うとこのように平原が走路に進入して手島を押圧することはしてはいけない)
そのおかげで1・平原と4・諸橋の間に「5・有坂のための道」が切り開けるという、まさに他力本願の面目躍如の展開となる。
密かに3角から大外を捲り追い込んでいた2・山崎は
ここで同じように密かに捲り追い込んでいた6・小橋に行く手を阻まれ密かに終了。

内から1・平原を競り落とす7・手島。
必死に踏み直す1・平原と4・諸橋。
思わぬ所にコースが開き、ヨダレが垂れてしまうような展開となった5・有坂。
大外を密かに捲り追い込む6・小橋。

レースは手島が抜け出して優勝。
必死にハンドルを投げた有坂は勢い余って危うく落車しそうになりながらの入線で僅差の3着となった。

手島はえげつなく内を掬った訳でもなく、道中は確実に3番手の仕事をしながらの勝利。
3番手を回る選手としては最終2センターで外に浮いた諸橋をどうするかは正直悩めるところだが
小嶋に併せるために前が脚を使い、最後はレースラップが確実に落ちることが必至なこの展開において
あそこから躊躇なく前に踏まなければ後方からサラ脚で追い込んで来る車に向く流れを自ら作ってしまうことにもなる。

そうしたことを一瞬にして見切って動く。
これが手島の持つ本能の走りそのもの。

競輪選手であった父が埼玉に移籍する13歳まで新潟に住んでいたという平原康多が4.00のギアの特性をうまく生かした走りでレースを動かし
地元の諸橋が渾身のブロックで怪物・小嶋を止め、有坂はまさに他力本願の面目躍如たる走り。

このレースはグレードレースのフィナーレを飾るにふさわしい好レースだったが
弥彦本場では混乱はなかったものの
一部のルールを理解していないファンが騒ぐことになってしまったことは非常に残念な出来事であった。

= 関連リンク =
・ふるさとダービー弥彦優勝者の横顔(keirin.jp)
・写真で振り返るふるさと弥彦決勝(弥彦競輪公式)

ちなみに昨年の弥彦記念において優勝者のユニフォームをもらおうと自宅から「ユニフォーム受け取り網」を持参したおじさんは今年も健在。
しかし、手島はそれに気付くことなく引き上げて行ってしまったため残念ながらユニフォームのゲットはならなかった。