2008年5月31日

競輪のある街へ Stage3 G1開催中に敢えてF2をやる贅沢(久留米競輪場)

高松宮記念競輪前検日であるこの日、広島競輪場から向かった先は九州・福岡にある久留米競輪場。

途中、広島・廿日市で思わずパチンコ屋に吸い込まれていき1時間半程度ロスした他は順調に進んで行ったが
山口・福岡県境の関門トンネル(普通車150円)以外は一切有料道路を使わない貧乏航路をとったため
冷水峠を越えてようやく久留米が射程距離内に入ってきた頃にはすでに日付が変わってしまっていた。

こんな時間になると夜食を摂ろうにもなかなか選択肢がなくて困るものだが
このあたりの街道沿いには有名な終夜営業の店が並んでいるため
今回は手前側にある豚骨ラーメンで有名なこの店に入ってみることに。

丸幸ラーメンセンター
佐賀県三養基郡基山町(みやきぐん・きやまちょう)小倉1642(国道3号線沿)
祭日を除く毎週火曜休・24時間営業

お店に入ると食券の販売機が目の前に現れたので、ひとまず460円の満腹ラーメン(通常の1.5倍盛り)というものを頼むことにした。
なんとここの通常のラーメンは370円だというから驚いてしまうが
これはこの時間であっても私の前に券売機に並んでいた人が3人もいるくらいに集客力のある店だからこそ実現できる価格なのだろう。

席について券を渡すと麺の固さを聞かれる。
今回はデフォルトのまま頼んでみたが、ネット上でよく書かれている通り少しばかりやわらかすぎる気もした。
具材はチャーシューととんこつラーメンとしては非常に珍しいメンマが添えられていて
白いスープはあっさりし過ぎなくらいにあっさりしていて臭みも全くなくいい感じだが
添えられているチャーシューはなかなか胃に来る強烈なもので、この日は終日胃もたれに悩まされてしまうこととなってしまった。

丸幸ラーメンセンターの少し先には黒田屋という25時間営業を標榜する欲張りな食堂もある。
前回通りかかった時には、せめてどちらかに行っておけばよかったと後悔したが…
次回ここを通る機会があれば、ぜひ25時間営業の世界も体験してみたいと思った。

程なくして久留米市内に到着し事前に久留米競輪場の位置を確認しに行くと
そこはなんだかとてつもなく異様な雰囲気を持った空間でびっくり。
競輪場に上がって行く道中には路駐車輌が異様に多く、さらに真っ暗な闇に閉ざされた競輪場手前には灯篭が立ち並びただならぬ雰囲気。
木々の隙間をよく見てみるとその向こうに見えたものはなんと墓地。

一応バックミラーを確認して後部座席に頭から血を流した人が座っていないことを確認したのち足早にその場を去って
競走が始まる頃まで郊外のネットカフェのフラットルームに飛び込んで仮眠をとることにした。

目覚めると時刻はすでに9時半。
携帯電話はマナーモードにしたはずなのに何やら音が聞こえてくる。
ゴソゴソと手元を探して携帯電話を手にするが鳴っているのは私の電話ではなかった。

しかし、よく聞いてみるとその着信音(目覚まし音?)は非常に聞き覚えのあるものだった。
なんとそれは競輪の選手入場時の音楽ではないか!
音は隣のブースから聞こえてきていたので思わずとなりのブースを覗き込みたくなってしまったが…
こんなハプニングも競輪のある街・久留米ならではの出来事なのだろう。

その後はすぐにネットカフェを出て若干混雑気味の街を抜けて一路久留米競輪場へ。

夜中に訪れた際には非常に不気味に映った競輪場への参道もこの時間になればガラッと印象は変わっていた。

入場口でイン待ち飛び付きをしてきたおばちゃんに500円を渡すと手渡された専門紙のタイトルはなんと「サイクル王」。
これは久留米が生んだ競輪界の大スター・中野浩一氏を意識したものなのだろうか?
専門紙にはなぜか各スポーツ紙がつけた予想の印を表にしたものまでがもれなく付いていた。

場内はこんな感じ。
一応、1センター部には大型ビジョンが設置されてはいるが残念ながら客席からはよく見えず
ほとんどバンクを走る選手が後ろからの仕掛けを確認するためのモニター程度にしか使われていない感じだった。

締め切り前音楽は前橋と全く一緒。
そのために途中、友人から電話がかかって来た時には「えっ?もう前橋に帰ってきているの?」と驚かれてしまった。

発売窓口がすべて閉鎖されているため、ホーム側のスタンドにはほとんど人がおらず
落ち着いて競輪をやるにはピッタリの雰囲気。
スタンドの屋根は雪などが降ることを計算に入れずに済むこのあたりならではの非常に流麗なデザイン。
アーティスティックな屋根の形にしばしの間、見入ってしまった。

ホームスタンド裏の車券発売所は完全閉鎖中。
ここもまた歴史を感じる美しい作りになっており、実に味のある空間となっている。

レースのほうは7レースにはアキバで最も有名な競輪選手・池本和俊(高知・87期)
「駆けないか?」と観客に言われるまでもなく果敢に駆けて、捲られはしたものの3着に粘る好走を見せ
続く8レースでは仕方なく3番手に甘んじていた辻本兼市(兵庫・66期)が前を回る花井良浩(三重・57期)が行けずと見るや
果敢に先手ラインの番手に切り込んで、好位から捲り気味に追い込む三宅勝彦(岡山・54期)とのワンツーを決めて
私の車券はスバリ的中レース専門紙アカギ。(群馬ローカルCMより)
思いもしない展開になったこともあって惜しくも3着は抜けてしまったものの今回の旅最大のスマッシュヒットとなった。

この日は土曜日ということもあって場内には女性や子供連れの姿も多数見受けられ
金網越しに集まった3人兄弟とおぼしき子供達は親が車券を買った選手とおぼしき選手に「黒がんばれー」などと声援を送っていた。

10レースにはしゃべりだけならSS級の岡本新吾(和歌山・42期)が登場し
あの伊藤正樹がブレイクするきっかけとなったと言われている高橋和也(愛知・91期)と断然人気の一角を形成。

私も高橋が逃げても捲っても岡本新吾ならば前を食えると信じて疑わなかったし、ここは3連単1・2着固定の車券で勝負。
ここが飛ぶとすれば、むしろ信頼できないのは捲り屋の高橋のほうだと思っていたのだが
レースは高橋和也の捲りに岡本新吾が豪快にブッ千切れて大敗。
まさかの結果にその場に呆然と立ち尽くすこととなる。

続く11レースでは田中祥隆(福岡・81期)の先行を中村秀幸(高知・60期)がHSカマシで叩きに行くも
番手に逃げた田中がはまる展開となり、2車単は2番人気も3連単はちょっとした穴の結末。
レース後は罵声が飛び交うも、そこで金網越しに集った3兄弟がひとこと。

「うるさいうるさーい!外れたのを人のせいにするなー!」
「そうだそうだ!人のせいにするなんて卑怯だぞー!」

その叫びが聞こえたのか周りの罵声はピタリと収束。
それを見た私はあまりのおかしさに笑いが止まらなくなってしまった。

最終レースはカスリもせず終了し競輪場から下山。
すると競輪場を出た先は渋滞していてほとんど動かない状態になってしまっていた。

道中はオケラバスの番手を進み30分ほどかけてようやく久留米インターのあたりまで抜けることに。

場内を吹き抜けるすがすがしい風とよく教育の行き届いたすばらしい子供達。
場内では遠方の地で行われている高松宮記念杯競輪そっちのけで
目の前で行われているエフツー開催に主眼を置いて車券が売られていることにも感心した。

やはり競輪は遠くのグレードレースよりも自場のヒラ。
賭けられた賞金は安くとも、競輪らしい面白さはF2のほうが存分に味わえるのだから。