2008年6月12日

北松戸オケラ街道を往く

松戸競輪メダリストプランニング杯初日7レース。

逃げた大塚玲(神奈川・89期)の後位はもつれ悠々逃げ切った大塚の次位は
捲り追い込んだ川井利晃(群馬・74期)と白水洵(しらみず・まこと=福岡・89期)が並んだ状態でゴール。
判定は写真判定に持ち込まれたが、着順確定後に提示された判定写真には
自転車の前輪よりも自分の頭のほうが先に入線している「超・前傾野郎」川井利晃の姿がクッキリと映し出されていて大爆笑。
(競輪の場合、自転車の前輪の到達をもって着順が判定されるので競馬のように「アタマ差」で先着ということにはならない)

その川井も残念ながら翌日には藤田大輔らともつれて落車、帰郷の憂き目に遭ってしまい
私個人としては少々見所が少なくなってしまった感もあったのだが
さらにその翌日に行われた松戸F1最終日に出掛けてみることにした。

普段松戸競輪場に行く際には上武道路(国道17号)から東北道の羽生か加須に入って
そこから川口JCT・外環経由で三郷鷹野から松戸有料を通って向かっているのだが
今回は最近延伸した北関東道を通って太田・足利に抜け、兵藤一也らを輩出した佐野日大がある栃木・佐野から
東北道に入るというちょっとお金の余計にかかるコースを試走してみたところ、自宅からものの1時間半程度で松戸競輪場に到着。

今回私は初めて開門時間に松戸競輪場に入ってみたのだが
入場口には平日のヒラ開催だというのに開門前からすでに多数のファンが勢揃いしていてなかなかの熱気。
その平均年齢はゆうに60歳を超えているように見えるのは少し残念な気もするのだが
ここにいる人達こそがまさに競輪の歴史を今に伝え、今の競輪を未来に伝える重要な担い手。
女子供などは寄せ付けないこの雰囲気こそが競輪の醍醐味とも言えるのかもしれない。

入場すると入り口を少し入ったところで松戸をホームとするケイリンガールズLove9がお出迎え。
この日行われるエキシビジョンレースの投票用紙をメンバーが各自手渡しで配布していておじさん達も上機嫌。
メンバーの4番・さとこさんは膝にテーピングを施すという、おおよそキャンギャルらしからぬいでたちで登場していたが
エキシビジョンレースでは2・まちゃこさんのカマシに乗り抜け出しての1着。
当初はメンバーではなくカメラマンとしてLove9に参加して、いつの間にやら選手になってしまったというのが信じられないくらい
最近では常に優勝候補として名が挙がるほどの実力を身につけて来ている。

新人さんの誘導の引き方、抜け方はまだまだいまひとつな感じではあるものの
33バンクを生かしたスピードレースを展開するなどして
最近では発足当初のバラバラなレースぶりが嘘のようにいいレースができるようになってきていることに改めて驚いた。

この日は千葉県所属94期生によるスプリント戦も行われてアテネオリンピック日本代表「吉澤賢」選手や
趣味・漫画喫茶「岩本俊介」選手、名門京葉工業出身スプリンターで中村浩士選手のお弟子さん「佐渡空史」選手らが登場。

(ポリカーボネート援衝フェンスごしの撮影のため画像は不鮮明になっております)
番手から仕掛けた吉澤選手に乗った岩本俊介選手が兄弟子をかばいながら残すという
スプリントというよりは実際の競輪競走を見据えたような内容の競走を展開、尚一層94期生のデビューが楽しみになった。

競走の合間には早目に車券を買った上で競輪場を中抜けして競輪場のすぐ近くにある蕎麦屋「やまわ」に行って
「おおもり」という名の大盛りそばを食べながら店内で流されている松戸競輪の中継放送でレースを観戦。

事前にここのそばはなかなか量が多いですよという話は聞いていたのだが
量だけでなく肝心の蕎麦のほうもなかなか風味が感じられる蕎麦で想像していたものより上質なものだったため
たまには外出券をもらってここに食べに来てもいいかなという感じ。

食後に甘めの味がするめんつゆに蕎麦湯を混ぜて飲みながらレースの模様を見ていたところ
期待の上田浩(山梨・54期)は前を回る伊藤太一(山梨・91期)がインで粘る競走に転じたこともあって2着まで。
私の車券は見事に紙屑と化し、結局のところ随分と高い蕎麦となってしまった。

ひさびさにアオケイを見てみたら「落避けリーチ」「競負けリーチ」。
なんでだろうと3秒間考え直してみたらそれは「立て直し」と読むものだった。
どうやらアタマの中まですっかりギャンブルに毒されてしまっているらしい。

地面にばら撒かれたハズレ車券が青や緑の光に映える道。
それが北松戸オケラ街道のスタート地点。

ギャンブル場から出てくる客というのは余程「負のオーラ」が強いのか
面白いもので道行く人は決まってオケラの民の列を避けるようにしてそそくさと足早に走り去っていくから不思議なものだ。

オケラ街道の向こうには光が見えるのか、それともひたすら闇が続くのか…。
競輪客は先に見える僅かな光を求めて、明日もまたバンクに向かって吼え続ける。
その先で待つ光とは勝利なのか、それとも勝敗を超えた何かなのか…?
非生産的な行為でありながら、なぜか人を惹き付けて止まない不思議な魅力を求める競輪客の旅は続く。

競輪競走と同じように競輪客の数だけ星の数ほど展開されて行く人間ドラマ。
そのドラマはこの世に競輪がある限り永遠に続いて行く。

= 参考リンク =
・Love9.jp
・枕とおやつを持って「合格発表!!(93回生)」
・メッセンジャーと松戸競輪(表の家より)