2008年7月 8日
燃え尽きた別線を尻目に北日本がチームプレーで完勝!(寛仁親王牌決勝)
最終ラップに入る以前にすでに勝負は決していた決勝戦。
「あと何回乗れるか分からないし、俺らしい走りで」
全身全霊を込めてこの決勝に立ち向かうかと思われた手島は結局何もせず終了。
昨年の親王牌も準決勝で天性の才能を生かした神がかり的プレーで3着をキープして勝ちあがった後
決勝ではまるで抜け殻になってしまったかのように内を掬われてあっという間に終わってしまったが
もしかすると今年も神山の呪縛に苛まれ飯嶋に番手を譲ってしまった準決勝の時点で
この人の今年の親王牌はすでに終焉を迎えてしまっていたのかもしれない。
「位置決めず勝つ走り」
現状の小橋が勝つには4角番手で回ってくる以外方法はない。
新田祐大が駆ければそこに小橋が行き、山崎を飛ばす。
その流れであれば後ろの岡部は山崎を入れず小橋の後ろにスイッチして
後は捲りの打ち合いで勝負は決すると見たファンも決して少なくなかったはず。
しかし、そこで小橋が取った策は北日本分断ではなく単騎の渡部哲男の後ろにつけて勝機を伺うという方法。
だが、勝負どころで本来は同地区であるはずの飯嶋に蹴られ後退。
結局渡部はBS捲りを打つのに併せて番手から発進した山崎に合わされてしまったが
巧みなコース取りと立ち上がりが遅い「後がかり」ながら鋭い差し脚を持つ小橋がその直後に付けられていれば
もしかしたらワンチャンスあったかもしれないという展開。
一見無策でイチかバチかでヤケクソになっているようにも見えた作戦だったが
じっくりと考え直してみると、それは小橋の脚質にもピッタリの組み立てでベストの選択だったかもしれず
ベテラン勝負師ならではの読みの深さというものに改めて感心したレース運びだったようにも思えた。
佐藤慎太郎がいないこともあって並びがすんなり決まった(?)北勢は
親王牌はいつもあと一歩のところでタイトルに手が届かない岡部が福島の3番手を回る競走。
前述の通り展開上このレースの北の番手、3番手は狙われやすい位置ということもあり
もしもここで山崎の位置を誰かに奪取されるような流れになれば岡部はシビアに一車詰めて自力も含めた巻き返しに転じるか
飛ばされた山崎を迎え入れて巻き返しに期待するかの選択を迫られることになる。
そこで飛ばされた山崎を入れずシビアに一車詰めて捲りに転じて勝てば悲願の親王牌制覇。
そこで山崎を入れておけばレースの勝ち負けはともかくとして福島ライン的にはハッピーエンド。
私はそんな展開になることを期待してレースを見ていたのだが
結局別線は何もせず、最終ラップに入る以前からすでに「山崎様どうぞ優勝してください」の展開。
一度飛ばしたところで、必ず最後には山崎がターミネーターのように盛り返してくるという印象が他の選手に植え付けられていたのであろうか?
まさに別線は何もせずとしか言いようのないレースで山崎芳仁の完勝。
今の競輪のグレードレースは文字通り山崎様を中心に回っているのだということを印象付けたようなアッサリとした結末に思わず呆然としてしまった。
かつてはあの松本整にジカ競りを挑み双方落車。
更には目標とした海老根を捨てて捲りを打ち北日本を打ち破るなど前橋親王牌において名勝負を演じて来た手島だけに
ここは何かをしてくれるだろうと期待して見ていたのだが…あまりの無策ぶりには正直なところガッカリさせられた。
が、しかしあのような無様なレースをして一番悔しいのは他の誰でもなく本人のはず。
残された時間は決して長くないはずだが次回の前橋親王牌では悲願の優勝を決められるように
現状に満足することなくこれからも上を目指してがんばって行ってもらいたいものである。