2008年8月22日
芝生もあるでよ(名古屋競輪場)
この日はF2開催の行われている名古屋競輪場へ。
名古屋競輪場は私自身未踏の地であったため事前にkeirin.jpのガイドを参照すると
そこに書かれていたものはなんと
「駐車場・周辺無料2187台(60カ所)」というもの。
恐る恐る名古屋競輪場のホームページを参照してその60ヶ所にも及ぶ駐車場の位置を確認すると
「なんじゃこりゃあ!」と驚いてしまうような見事な点在ぶりで少々心配になったが
今回は早い時間に到着したため入り口近くの駐車場に無事車を停めることができた。
(競輪場周辺は一方通行路だらけなので要注意)
中村公園という公園の敷地内にある名古屋競輪場。
競輪場の近くには本陣通りと言う名の通りや豊臣小学校など歴史を感じさせるような地名がたっぷり。
最寄りのインターは東名阪均一区間の甚目寺(じもくじ)だが名神一宮から下道で稲沢・下津(おりづ)、春日(はるひ)、枇杷島(びわじま)など
微妙に難読地名ばかりが出揃うあたりを抜けてきても3,40分ぐらいで到着することができた。
駐車場から入場口に向かって歩くと、そこには見覚えのある大日本帝国の旭日旗を思わせるようなデザインの
競輪新聞の販売所があったのでそこで新聞(400円)を購入。
すると売り子のおばちゃんの機嫌が良かったのか、ペンをくれたばかりか飴まで持って行けと言う。

無料のえんぴつが十分に置かれておらず、客のほとんどがマイ筆記用具を持参することが当たり前となっているJRAの競馬場とは違い
周知の通り、競輪場はどこへ行っても使い捨てタイプの鉛筆が山盛りになって置かれているため
特にペンを持ち込んでやる必要はない。
しかし今回はせっかくなのでそのペンを使って投票してみることに。
私は専門紙「ひかり」だと思って新聞を買ったのだが、よく見てみたら新聞のタイトルはなぜか「東海」。
「ひかり」と「東海」は全く同じ内容であるとのことだが、競輪場の予想紙というのは
各地でこのようにまるでOEM供給されたかのようなクローン紙面の新聞を結構目にする。
どんな理由からそのようなことが行われているのか私は知らないが
このことは間違いなく競輪七不思議・競輪トリビアのひとつに挙げられる事柄だろう。
名古屋競輪場はこまめに手直しはされているものの、なかなかの古さを感じさせる競輪場。
それでも特別観覧席に入らなくてもレースは見やすい作りになっているし冷房が効いている場所も多く非常に快適。
今時エアコンのない施設なんて公営競技場ぐらいしか存在しないし
こういう施設は経費節減のために例え売り子のおばちゃんがエアコンのない部屋で氷水に足を浸けながら券を売ることになったとしても
十分に用意されて当たり前のもの。
それが用意されていないというのに車券を買おうと穴場に手を出すと穴場の向こうから流れてくるのは実にさわやかな空気。
「なぁ奥さんよ」
券を売る人の顔もよく見えないような作りになっている穴場の向こうのオバチャンの態度が気に入らないと
穴の向こうに対して説教をするおじさん。
しかし、穴場の向こうの反応はわずかな隙間から流れ出す空気のように冷めたもの。
悲しいことにこれが日本全国どこへ行っても見られる競輪場の穴場の実情というものである。

レースを見ようと4コーナーに上がるとスタンドの最上部に小部屋があるのが目に入った。
上まで上がって見てみると出入り口には「夏季・冬季のみ開放される部屋」であるとの記述が。

お世辞にもきれいとは言いがたい場所ではあったが、入ってみるとこれがなかなか快適。
冷房は効いているしテーブルは横幅が広く、レースもなかなか見やすい。
ただしモニターが置かれている訳ではないので視力が衰えたご老人には向かない感じだが
そこには死体のように転がった熟睡中の人々がゴロゴロしているくらいに快適な空間が広がっていた。

後ろの壁にはこのようなノミ行為に対する具体的な罰則が記されたボードが。
以前、飲み屋のおねえちゃんを競輪場に連れて行ったときに
競輪場の壁に掲げられたノミ屋追放の看板を見て「これなあに?」と質問され
「競輪やると大金を儲けるやつがいるだろ?そうすると払い戻し窓口の前でいい娘いますよって客引きする飲み屋が来ることがあるんだ。
そうやって客の金にノミみたいに飲み屋がたかるからノミ屋って言うんだよ。」と大嘘を教えたところ
「へぇーそうなんだぁー」と本気で納得されて逆にびっくりしてしまったことがあったが
ここで言うノミ屋はもちろん正規窓口ではない車券販売のこと。
冷暖房のキッチリ効いた快適な部屋で3競オートが打てるノミ屋にただでさえ少ない客を持って行かれた事案が発生しても
職員の快適性だけはしっかりと考えるものの全く客の利便性などは考えないのが競輪場というもの。
そんな全体の競輪界全体の流れを考えれば、食堂にまで冷風扇を置いて客が少しでも快適に過ごせるようにしている名古屋競輪場は
かなり進んだ場と言っても過言ではないだろう。
場内には一目見た瞬間「これは入っておかねば!」と思えるような食堂があったので、お昼ごはんはそこで食べることに。

競輪場の中とは到底思えないオープンテラスのテーブル席も備えたこの食堂。
テーブルに並べられたセットには「お箸」が添えられていないところがまた実に粋な感じのお店であった。

ここでは名古屋人のソウルフード?とも言えるような「あんかけスパゲッティ」を食べる。
店内ではレース実況を全く見ることができないが、そのおかげで店内は喧騒感とは無縁のさわやかな空間となっていた。
ちなみに桐生競艇場ではフードコート内での実況放送を実施したところ席を場所取りする人が多発して
実際に食事をしようという人が座れなくて困るという苦情が相次いだため、フードコート内での実況放送は現在行っていない。
確かに食事をしながら実況放送が見られれば言うことはないのだが
こうした場所はギャンブル場の喧騒を離れて一息つくためのサンクチュアリ。
戦後のヤミ市屋台そのものの公営ギャンブル場ならでは食堂もお祭り屋台みたいで悪くはないが
このお店ではギャンブルのことを忘れてホッと心を落ち着けることができ
食事とともにリフレッシュができたのがとてもすばらしいことだと思った。

公園内に建つ名古屋競輪場はこうして木々も生い茂り、さわやかな風が吹き抜ける競輪場。
バックには芝生席もあるしレースも見やすい。
後半レースに差し掛かる頃にはまた腹が減ってきてしまったので、こちらならではの「どてめし」を食べる。

真夏にこんなものを食べれば汗まみれになるのが普通なのだろうが
名古屋競輪場の食堂には半オープンの食堂にもきっちり冷風扇が付けられていて
もちろん立ち食いではあるものの大変おいしく快適に食べることができた。
車券的には相変わらず職人的な先行を見せる星野嘉寛(三重・49期)が逃げ切るなど1・2レースを立て続けに取って
「もしかして今日は大儲けできちゃうんじゃないか?」と期待が膨らんだが
続く3レースでは舟元権造(大阪・92期)を叩いて先行してくれるかと期待した園田鉄兵(熊本・93期)が捲りに構えて後ろは見事にさようなら。
その後もきれいに負け続け、10レースでは佐野勝(徳島・52期)のアタマという大穴を狙うも見事に2着抜けで終了。
結局のところ健全な「レジャー」に終わってしまいましたとさ。