2008年9月 9日

先行争いを嫌う「えせ先行屋」なんぞは気合いで倒してしまえ!(立川協賛二日目より)

立川協賛2日目の10レースは篠原龍馬(高知・89期)、金澤竜二(福島・91期)、天田裕輝(群馬・91期)の自力3車に
高橋健太(静岡・80期)が単騎で挑む競走。
このレースは単純に考えれば篠原と金澤の先行争いを天田が捲る競走と見ることもできるのだろうが
今の競輪においては先行争いなどという言葉はすでに死語。
メンバー的に中団が取れそうなのは天田だが
かと言ってレースの流れを見過ぎていたのでは何もしないままレースが終わってしまうことにもつながりかねない。

…となると考え方を変えれば、このレースが篠原と金澤が牽制し合う流れになれば
それを尻目に一気にドカンと行けるチャンスがあるのは天田裕輝か高橋健太。
特に力量的に劣る天田裕輝は先行条件に単騎の高橋健太を味方につけることができれば
この相手なら十分に抵抗できるはずだ。

しかし車券的に問題となるのは、ここで天田ラインが逃げる可能性もあると見て
単騎の高橋健太が果たして天田ラインの3番手からの組み立てで決め打ちができるかどうか。
天田が逃げて高橋が3番手なら高橋のアタマの可能性は十分にあることから
ここの取捨選択にはじっくりと時間をかけて大いに悩むこととなった。

競輪選手の中にはこうした場面で逃げる選手を決め打ちして
そこのライン追走からレースを組み立てて勝ついう勝負師としてのカンの鋭さを感じさせるヤマ師レーサーも少なくないが
出走表とにらめっこしながら、じっと高橋健太というレーサーについて考えてみたのだが
失礼ながらどうも私の中ではそのような勝負師のイメージというものは湧いて来なかった。

なので私が導き出した結論は「そんなレースができるようならこんなところを走っているはずがない」ということで
高橋アタマ固定流しで記入したマークカードは捨てて
初日は全然車が前に進まなかったものの金澤を使って自らの鋭い決め脚を使えそうな
佐々木健司(青森・76期)のアタマからに切り替えて車券を購入しレースに臨むことにした。

レースは篠原を牽制しながら金澤が打鐘から飛び出して先行態勢に入るがそれを前受けの天田が突っ張って先行。
金澤は篠原が巻き返して来ないのを確認してから中団に入り、最終ホームは天田・金澤・篠原というほぼ一本棒の状態。
道中から金澤ラインに肩入れしていた高橋健太は金澤ラインを追走して6番手で最終ホームを通過して行った。

3番手に入った金澤がBSから捲ると天田の番手を回った吉田康弘(茨城・69期)は余裕がなかったのか
全くの番手無仕事で金澤をスルーしてしまうが、その金澤も先行した天田に併されてしまい伸びを欠く。

最終3角では天田が金澤をセルフブロック気味に牽制に行きながら立ち上がろうとするが
そんな様子を冷静に後ろから見つめる車が1車。

金澤ラインが外に浮くのを尻目にそれを追走していた高橋健太はうまく天田裕輝-吉田康弘の後ろにスイッチすると
今度は天田がセルフブロックに行って外帯線を外す瞬間を息を潜めてじっと待ち
最後は天田が走路を外した瞬間に一気にインを突くという、まるで香川雄介が憑依したかのような走りで抜け出して1着。
ギリギリのところで高橋からの車券を切った筆者をあざ笑うかのような見事な走りで決勝進出を決めたのだった。

高橋健太というとデビュー以来、かなりの素質を感じさせる逸材であったのに結局伸び悩んでしまった感のある選手であったが
これはもしかすると追い込み屋としての才覚はかなりのものがあるのではないか?と思えてくるような上手い競走。

このレースは何よりも果敢に先行してレースを動かした天田の走りを褒めてあげたいが
高橋健太様におかれましては大変失礼な評価を下してしまい誠に申し訳ございませんでしたと
車券が外れたことなどそっちのけで謝りたくなるようなレースだった。

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