2008年9月13日
競輪場とは選手も客も共に戦う戦場である(一宮AS3日目)

この日はオールスター競輪(G1)の3日目が行われている愛知県の一宮競輪場へ。
到着は午前9時45分ごろだったので、さすがに競輪場の目の前の駐車場には入れないかと思っていたのだが
(1レース発走時刻は10時33分でこの日は土曜日)
北門の目の前にある無料駐車場にはなぜかまだまだ空きが十分にあり余裕を持って入ることができた。

この日は出発前に前橋市内のコンビニで購入してきた専門紙アカギを持参。
見出しの通り人気投票1位にも関わらず裏切り度もナンバーワンの小嶋敬二のコメントは
「勝負駆けですから自力で勝つレースをやりたい」
小嶋はコメントと真逆のことをするワンパターンな人だから「どうせ今日は先行だろうな」と思いながら場内へ。

まずは今回の一宮行きの第一の目的である
初日の不運な落車事故で落命してしまった内田慶選手の献花台に向かって献花・記帳を行った。
今回の死亡事故の発生により、一時は開催中止の案も出されていたそうだが
バンクは戦場であるし、開催中止や延期といったことは事故とは全く別の問題。
人によっていろいろ考えはあろうが、このような事故が起きたからやる気が出ないでは
今回の件もあっていつもに増して魂を込めて車券を買っているファンに対して失礼というものだし
赤字にならずとも自治体に繰入金が入れられないだけで廃止も視野に入れた議論がされてしまうという
競輪界が立たされた現状を考えれば続行するのもいたしかたないことと言えるだろう。
今回の事故では前輪が破損する事故の危険性やフェイスガードがないことによる顔面強打の危険性
それに落車救護対応の遅さと病院へ搬送されるまで時間がかかり過ぎたことなど多くの教訓を学んだはず。
今回の事故は「たまたま運が悪かっただけ」で済ますのではなく
「これまではこうした事故がたまたま起きなかっただけ」と考えていただいて
このような悲劇を二度と起こさないためにもこれらの対策が「今日からでも」実施されることを望みたいものである。

献花したあとは前日朝に安全祈祷が行われたという3角前に行き手を合わせる。
そうこうしているうちに場内には第1レース発売開始準備の業務放送が流され
やがて何事もなかったかのように1レースの選手紹介が開始。再び一宮バンクは戦場と化して行った。

記念競輪で好評を博したホーム側の客席内に設けられたお立ち台が撤去されていたほか
ホーム側はこのように撮影用の櫓だらけという状態。
一般席から全体を死角なく見渡せる場所は少なく、相変わらずこの競輪場は特別観覧席専門競輪場といった印象だった。

一宮競輪が始めたブログにも登場した一宮競輪名物「ドリームのやきそば」(350円)も相変わらず健在。
ここの焼きそばは結構なカチ盛りとなっていて、なかなかのボリュームがあっていいのだが
ここに来てこれを毎日食べるとなるとさすがに厳しいかもしれない。

場内には客席に掲出しきれなかった横断幕があちこちに掲出されていて
中でも「Uターン禁止」マークが入った兵藤一也の自虐的横断幕や(かつてゴールせずUターンしたとして敢闘精神欠如で失格になったことがある)
佐藤友和の似顔絵つき横断幕など隅に掲出するのがもったいないような面白い横断幕も多数掲出されていた。

今回の事故の件で場内イベントの一部は自粛というかたちで中止されたが

タレントさんとLove9によるイベントだけはなぜかしっかりと実施されていた。

この日は朝方に雨がパラついたりして天候に不安のあった日だったが
最終的には30度を越える真夏日となり、この開催最大の5352人のお客さんが来場したとのことだった。

内田慶選手がオールスター競輪に出発する前、大手SNSサイトであるmixiに全体公開として残した日記にはこう書いてあった。
「オールスター行ってきます。どうか最終日まで走れますように。」
本人は「成績不振で強制帰郷にならないように」という意味で書いたのだろうが、まさかそれが全く別の意味で現実のものとなってしまうとは…。
車券打ちとして内田慶にしてやれる最大の供養は競輪を打ち続けることだけ。
この日、競走を走った多くの選手もこの一件で萎縮してしまうことなく全力で戦ってくれたことだし
空の上で大好きな自転車にまたがった内田慶が、その様子を見て喜んでくれていると信じたいものである。