2008年10月13日

荒削りな競走の中に垣間見た高い潜在能力(前橋F2より)

前橋競輪F2準決勝11レース。

このレースは鈴木裕(千葉・92期)・金澤幸司(福島・91期)・斎藤昌弘(群馬・90期)の自力3車による3分戦。
ライン4車と最もラインが長くなった鈴木は赤板ホームで一気に飛び出すと
後ろからの仕掛けがない絶好の展開を生かして悠々と打鐘4角からのスパートを開始。
そのまま隊列を引っ張り後続の巻き返しを許さなかったばかりか番手に付けた花嶋洋之(千葉・56期)以下も完封。
ドスジ決着ながら2車単3330円という低評価をあざ笑うかのように見事逃げ切って見せたのだった。

早めに飛び出した上で一旦ピッチを落としてから後ろの仕掛けを見て先行態勢に入るスタイルで
今はひたすら逃げて脚を作っている感じの鈴木裕。
競輪デビュー前はなんとキックボクシングをやっていたという異端の経歴を持つ選手で
顔つきもどちらかというといかつい印象がある選手であることも手伝って
私は「人柄も恐らく尖った感じの人なのだろうな」と勝手なイメージを抱いていたのだが
当の本人はそんな雰囲気は全く感じさせない非常にスポーツマンらしい礼儀正しさを感じさせる好青年であった。

初日は出切ってからガンガン逃げて捲られ4着。
最終日のA級1・2班の決勝戦では赤板で飛び出した後で流したところを打鐘で後続にカマされ
さらにその上を被せられて捲られるという全く見所のない競走で大敗。
決勝では展開を見るよりはまず先に仕掛けないとお話にならない前橋バンクに対応できなかった感じだったが
一旦主導権は取れているし、まだまだこれから競輪の競走というものを覚えて脚を作っていけば伸びる可能性を大いに秘めた選手。

展開も非常に楽な流れで、尚且つこのレベルが相手とは言え
準決勝で見せた完封劇は決して並の選手にできる芸当ではないし、これからの躍進に期待したいところ。
前回西武園では全く見所なく敗れてしまいどうなることかと思ったが…
この1勝をきっかけに「キック鈴木」の競輪選手としてのサクセスストーリーが始まってくれることに期待することとしよう。