2008年10月24日

豪雨のバンクを切り裂く気合いの先行(早坂秀悟・宮城・90期)

弥彦競輪F2・UX新潟テレビ21賞決勝。
一時はヨコの動きも使っていた印象だったが、最近は先行・捲りのタテ攻撃に主眼を置いて成績を上げてきた工藤考生(埼玉・90期)に
新井剛央(埼玉・86期)-神田宏行(埼玉・62期)と並んだ2段駆け態勢の埼玉ラインや
メンバー的に労せずして中団を取れそうな川上真二郎(新潟・86期)に人気が集まったこのレース。

折から降り続く雨も決勝戦の発走を前にして一段と強く降り始めるという最悪のコンディションだったが
いつものように号砲を前に早坂秀悟(宮城・90期)が「しゃあああっ!」という大きな掛け声と共にハンドルを握ると
スタンドからは声援も起こり、程よい緊張感の中レースはスタートして行った。

レースは工藤考生が人気を背負った新井剛央(しんい・たけひさ)以下を率いて打鐘で飛び出し先行態勢に入るかのように見えたが
工藤は出切ってから後ろの仕掛けを待つ、一旦前を切っただけの自分が勝つ組み立て。

その上を一気に早坂が飛び出して行くと工藤は中団キープ。
地元の川上は立ち遅れて後方に置かれてしまう展開となった。

最終バックから捲った工藤を3角で早坂の番手を回った藤田竜治(青森・68期)がしっかりとブロックし
後ろの近藤俊明(神奈川・87期)のアシストを受けて直線で抜け出すと
3半で前を回る川上が行けじと見るや自力に転じて捲り追い込んだ松岡慶彦(栃木・74期)が大外を強襲。
ゴール前は際どい決着となったが、早坂の先行を利した藤田竜治がわずかに先着して優勝。
見事通算200勝目となる勝利を優勝で飾ったのだった。

「力を出し惜しみせず走りたい」
そう決勝出場選手インタビューで語っていた早坂秀悟は強い雨が降りしきる中
迷わず風と雨を切り裂きながら先行して見事に後ろの藤田竜治のメモリアル勝利に貢献して見せた。

前がしっかりと隊列を引き、番手を回る選手は横の動きで前を回る選手をアシストする。
これが競輪本来のあるべき姿。

以前の競輪であれば先行屋不在のレースでしか見られなかったような(?)HSカマシ主体の非常に軟弱な競走が主流となってしまっている昨今
このレースのように前がしっかり後ろを引いて、後ろはしっかり仕事をする
「いかにも競輪」と言えるような競走は逆に新鮮に映ってしまう。

逃げて勝てないなら、まずは逃げ切れるように練習を積んで力を付けるのが先決なのだろうが
最近の選手は残念ながらそうは考えない人が多いらしいのが悲しい限り。

S級の壁に跳ね返され、一時は発走前の「しゃあああっ!」という掛け声も空しく聞こえた時期もあったが
こんな走りができるのなら今後の進化は十二分に期待しても良さそう。
今後は大ギアブームの遥か前から大ギアを駆使して活躍を続けている
私が個人的にヨンテンサンサン様(4.33のギアを使用)と崇拝する父・早坂悟選手(宮城・49期)に負けない活躍を期待したいものである。