2009年1月 2日

競輪学校95期在校順位最下位の男、発進!(取手競輪F2初日)

競輪学校在校時の先行数は47とダントツ。
されど在校成績は0-0-3-79と決まり手すら付かない堂々の最下位という成績に終わった近藤保(千葉・95期)が
この日の取手競輪F2でデビューした。

競輪転身以前は100m走の選手として活躍していた近藤保。
台車の上に乗って計測した測定値など競輪の実戦ではなんの役にも立たないことは百も承知だが
Max67km/hの数値からはその高い身体能力の片鱗を垣間見ることができる。

通常、在校成績最下位の選手ともなればデビュー後も相当苦戦を強いられることは容易に想像できるのが普通なのであろうが
このレースの車券は近藤のアタマに人気が集中。
それは在校成績最下位という成績が示すものはあくまで近藤が実戦で脚を作り上げてきた結果の副産物であって
本当の実力を示したものではないと車券を買う側の人間も分かっているからこその評価なのだろう。

選手紹介に出てきた際は緊張の面持ちでかなりゆっくりとしたペースで周回を重ねていた近藤だったが
競走の周回中はだいぶ余分な力が抜けた雰囲気。
これなら期待できるかと見ていたところ前受けからレースを組み立てた近藤は
ここぞというところで内に閉じ込められてしまい厳しい競走を強いられることに。

レースは高橋和聖(茨城・87期)が引く流れを木田有隆(福島・92期)が捲る展開。
近藤は内に詰まって脚を余したままお終いか…と思った瞬間
捲った木田の後ろが千切れたのを見た近藤は木田の捲りにとっさに切り替えるようにしてそれを追走。
インに詰まって絶望的な状況から一転、ここから前団を捲り切る勢いの木田に付いて行って
直線でそれを差し切れば勝てるという展開にまで持って行って見せた。

「もしかして!?」
競輪学校でも勝つことはおろか2着も取れなかった男に巡って来た千載一遇の好機。
あとは落ち着いて仕掛ければ勝てる展開となったが、そんな展開になっても敢えてそれをしないのがこの男らしいところ。
近藤は木田を追走することは敢えてせず間髪入れずにそこから一気にスパートして
BSから前団を捲っている最中の木田の更に上を捲るという文字通りの力勝負に出る。

秘めていた爆発的なパワーを発揮した近藤は
軽々と木田の上を乗り越えて行くとそのまま後続を6車身引き離してぶっちぎりの1着。

競輪人生初の勝利がデビュー戦での勝利。
まずは逃げて将来のための脚作りをと思っている本人からすれば決して納得できる内容ではなかったかもしれないが
木田の捲りにとっさに切り替えるなど、なかなかの競走センスを感じさせるその競走ぶりは
将来的に幅広い戦法で長く戦って行けそうな予感を感じさせるに十分なものだった。

いよいよここからがプロとしてのスタート地点。

陸上のエリートとして歩んで来た男が敢えて先行にこだわり続け
在校最下位の屈辱を甘んじて受けた理由はこれから徐々に解明されて行くはずだ。
近藤保頭総流し記念車券
=関連リンク=
・95期先行本数第1位・近藤保プロ(勝手にコメンテーター森下太志編より)